2つの火山でつくられた黒潮に浮かぶ島
八丈島は2つの火山が結びついてできたひょうたん型の島です。フィリピンの近くで誕生する暖流(黒潮)が周囲を流れるため、気候は温暖で雨の多いことが特徴です。八丈島と御蔵島の間に流れる黒潮の本流は「黒瀬川」と呼ばれる急流で昔は海の難所でした。
八丈島は絶海の孤島といわれていましたが、縄文時代には人が住んだ形跡があり、先史時代から海を使った各地との交流がありました。各地からの漂着船や流人の影響も受けた八丈島は「日本文化のるつぼ」といわれるほど、日本各地のさまざまな古い文化が残されています。
5つの集落-坂上と坂下-
八丈島は2つの山の麓に広がる5つの集落で構成され、坂上と坂下と呼ばれています。
坂下地区から坂上地区へは、大賀郷と樫立の間にある大坂峠(現在はトンネル)か、三根から末吉への登龍峠を越えなければならないため、かつては行き来が困難でした。
三原山(東山)は、今から約10数万年前に活動を開始した火山で、肥沃な土壌と水が豊富であるため、その周囲に集落が発達し、伊豆諸島で唯一稲作が 行われました。
八丈富士(西山)は、今から約1万年前に活動を開始し、伊豆諸島では一番高い山となりました。
平坦な大賀郷には江戸時代に役所が置かれ、島の政治・経済の中心になりました。