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姶良火山灰の地層

姶良は鹿児島湾北部一帯の地名で、約3万年前の巨大噴火です。この噴出物がシラス台地で100mぐらいも堆積していて、九州の生物は絶滅したともいわれています。このときの火山灰は広く日本国中に降り積もっていますが、関東でこれだけはっきりと地層になって残っているのは、八丈島だけだと思われます。八丈島は約1,000㎞離れているにもかかわらず、最大7㎝ぐらいの厚みで火山灰が堆積しているところがあります。それは、たまたま八丈島で三原山が大陥没(だいかんぼつ)を起こした噴火と同一時期で、火砕流(かさいりゅう)が発生している最中に降り積もったため、風雨に流されることなくパックされた形で残ったからです。この地層の泥を洗い流して顕微鏡(けんびきょう)で見ると、きれいな火山ガラスを見ることができます。  石積みの地層は、火砕流の堆積物に包みこまれ、炭化木片なども出土しています。石積の玄武岩溶岩の中には、サンストーンと呼ばれるピンク色の斜長石が含まれるものがあり、非常に珍しいものです。大の川の露頭は、降下り積もった軽石にパックされた姶良火山灰となっています。

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