最高点は700.9mで、三原林道の最高部あたりから徒歩で片道約40分です。 三原山は、全体としては、少なくとも10数万年前から噴火活動を行っていた火山です(最終噴火は3,000年前ぐらい)。約3万年前に現在の樫立(かしたて)・中之郷(なかのごう)・三根(みつね)地域にまたがる直径5㎞ほどの大陥没を起こし、その後そのカルデラを埋めて現在の三原山ができたとされています。火山が古く、複雑な地形変動もあったため、山の侵食が進み、深い谷が発達していて、新・旧火山の不整合面では、1年中流れている川もあります。岩質は玄武岩から流紋岩質まで幅広く、安山岩質の海岸では玉石がたくさんあり、玉石垣(たまいしがき)の材料になっています。風化火山灰が多く保水性が高いので、湧水や川が多く、飲料や農業の用水となっています。三原山の豊かな水のお陰で、各村のすそ野一帯に伊豆諸島で唯一の水田が広がっていましたが、昭和40年代半ばから開始された政府の減反政策によりほぼ姿を消してしまいました。中之郷は、江戸時代から先人たちの努力もあり、用水が整備され田んぼが一番多くあったところで、そのために逆に飢饉にもなりやすい地域でした。 土壌が肥沃な坂上(さかうえ)3地域は、農耕地としての利用が多く、地下に熱の貯留層があるため、温泉施設もあり、地熱発電所もありました(令和6年現在、再開発中)。