西山は、その形伏が非常に美しく、富士山に似ているところから八丈富士と呼ばれています。標高は854.3m。伊豆諸島では一番高い山で、1605(慶長10)年の噴火では、三根(みつね)地域の田畑に大きな降灰の被害を与えたといわれています。また、1815(文化12)年に八丈島を測量した伊能忠敬測量団は、「大賀郷(おおかごう)のヤケンヶ浜の溶岩が慶長年中の噴火で流れ出た」という土地の人の言い伝えを「測量日記」に記しています。 暖冬のため現代では西山暮雪の景色を賞する機会は少なくなりましたが、古老の言によると、かつては八丈島もたびたび積雪を見たといい、1990年代ぐらいまでは全白とはいえませんがそれなりの積雪がありました。