名古と洞輪沢(ぼらわざわ)は混然としていわれていますが、名古は海岸線側の広く長い範囲を、洞輪沢は窪地の所で、海岸と崖の間の場所をいうようです。小岩戸ヶ鼻の末吉(すえよし)側は、名古ノ鼻といっているので、かなり広い範囲をイメージするのかもしれません 。 ここの崖上の展望台からは、洞輪沢漁港を見下ろし、小岩戸ヶ鼻まで見渡す雄大な海岸美が味わえる絶景の地です。洞輪沢温泉、名古の滝(溶岩の下から水が流れ出している。落差が100m近くある)があり、清水が流れています。浮世のわずらわしさを忘れられる仙人の住むといえるような所です。 江戸時代には、通う道がなく人家はなかったといわれていますが、明治時代に神湊や八重根の港が風波で利用できないときの港として開発され、大切な港になっていました。 1917(大正6)年、ここの崖が大崩落を起こし、たまたま定期船が入港していたため、17名が埋まって死亡しています。この事件についての個人の顕彰碑が、三根(みつね)地域の「般若心経供養塔(はんにゃしんぎょうくようとう)」として残っています。